Fubuki Journal

SEOで通用したタグの付け方は、AIO(AI検索最適化)でも通用するのか。正直に答えます。

作成者: EIJI KAKUGAWA|Apr 10, 2026 4:30:00 AM

こんにちは。「かくさん」こと、株式会社フブキ代表の角川英治です。

この記事は、自社ブログのタグを棚卸しした経験から書いています。結論だけ先に言うと、「SEOを意識したタグ設計」は、AI検索時代においてほぼ機能しません。そして同じ間違いを、多くのクライアント企業のWebサイトでも見てきました。

まず結論から

「SEOで機能していたタグ設計の多くは、AIOではほぼ機能しません。」

ただし「タグが悪い」のではありません。タグの付け方の「前提」が、AI検索の仕組みと根本的にずれているのです。

SEOタグの設計思想を確認する

従来のSEOにおけるタグの役割はシンプルでした。

「検索されるキーワードをタグにする → そのタグページに関連記事を集める → 検索上位を狙う」

だから多くのサイトのタグは、こういう構造になっています。

  • 業種・業界タグ:「製造業」「医療」「BtoB」「小売」
  • 技術用語タグ:「CMS」「SEO」「API」「クラウド」
  • 製品カテゴリータグ:「HubSpot」「Salesforce」「Shopify」「kintone」
  • 作業内容タグ:「コンテンツ制作」「リスティング広告」「メルマガ」

これらの設計思想は共通しています。「人がGoogleに入力しそうなキーワード」をタグにする、という発想です。

フブキの場合:実際に何が起きていたか(あくまでも一例として)

自社のJournalタグを棚卸したところ、こんなタグが並んでいました。

「dokie ai」「claude ai」「contents hub」「Tech / Tool」「cookie」「googleカレンダー」

これらはすべて、ツール名・技術用語・製品名です。SEO的な発想では正しい。実際にそれらのキーワードで検索する人はいます。

しかし冷静に考えると、フブキが本当に話したい相手は誰か。「dokie aiというツールを探している人」ではなく、「Webサイトの更新が社内でうまく回っていなくて困っている担当者」や「リニューアルで社内の合意が取れなくて悩んでいる経営者」のはずです。

タグと、届けたい相手が、ずれていました。

そしてこのズレは、AI検索の時代においてより大きな問題になります。

AIOで何が変わったか:3つの本質的な違い

違い① AIは「キーワード」ではなく「問い」で動く

Google検索では、ユーザーが入力するキーワードに対して、そのキーワードを含むページを返します。だからキーワードを含むタグが機能していた。

AI検索では、ユーザーはこう入力します。

「BtoBのWebサイトをリニューアルしたいのですが、社内で意見がまとまらなくて困っています。どうすればいいですか?」

これはキーワードではなく、シチュエーションの説明です。AIはこの問いの意図を理解したうえで、「この状況にいる人に最も役立つコンテンツ」を選んで推薦します。

「CMS」「HubSpot」といったキーワードがタグに含まれているかどうかは、AIの判断にほとんど影響しません。

違い② AIOでは「検索されないワード」が価値を持つ

SEOの鉄則は「検索ボリュームのあるキーワードを使う」でした。月間検索数が少ないキーワードは優先度が低い、とされていました。

AIOでは、この前提が崩れます。

たとえば「社内がまとまらない」というフレーズを、Googleで検索する人はほとんどいません。しかしAI検索では、「Webリニューアルで社内の合意が取れない」という問いに対して、このフレーズが含まれるページが強力に参照されます。

なぜか。AIはキーワードの一致ではなく、文脈の一致でページを評価するからです。

「社内がまとまらない」は、検索ボリュームとしてはほぼゼロです。しかし「担当者が上長を説得できない」「部門ごとに意見が割れている」「リニューアルが何度も頓挫した」という問いの文脈に、深くマッチします。

これが、SEO的には「無価値なキーワード」がAIOでは「高価値な文脈ワード」になる理由です。

違い③ AIはタグページではなく、記事の中身で判断する

SEOでは、タグページ(例:/blog/tag/hubspot)を一種のランディングページとして機能させることができました。同じタグの記事が集まることで、そのテーマの権威性を示す狙いがありました。

AI検索では、AIがタグページを経由せず、記事の本文を直接参照します。タグの名前よりも、記事が「誰のどんな問いに、どう答えているか」の方が、AIの推薦に影響します。

つまりタグは、AIへの影響という意味では従来より重要度が下がっています。しかしだからこそ、タグの設計を「AIのため」ではなく「読者が関連記事を辿るため」という本来の目的に立ち返って考え直す価値があります。

AIOキーワードの選び方:5つの大前提

ここからが本題です。AI検索時代にコンテンツのキーワード(タグを含む)を設計するうえで、押さえておくべき前提を整理します。

大前提① キーワードではなく「問い」を起点にする

「このキーワードで検索する人がいるか?」ではなく、「この問いを持っている人がいるか?」を出発点にしてください。

問いの形式で考えると、こうなります。

SEO的キーワード発想 AIO的「問い」発想
「Web制作会社 比較」 「Web制作会社をどうやって選べばいいか」
「HubSpot 使い方」 「HubSpotを入れたけど社内で使いこなせていない」
「採用サイト 制作」 「採用サイトを変えたいが誰が管理するか決まっていない」
「SEO対策」 「ブログを書いているのに問い合わせが来ない理由が知りたい」

「問い」で考えると、自然とコンテンツが具体的になります。

大前提② 読者の「シチュエーション」でキーワードを設計する

業種・技術用語・製品名ではなく、読者が「今どういう状況にいるか」を軸にキーワードを選んでください。

良い例:「社内がまとまらない」「上長の承認が下りない」「担当者が一人しかいない」「リニューアルが何度も頓挫している」

これらは検索ボリュームがほぼゼロです。しかしAI検索では、これらの状況にいる人の問いに対して、このシチュエーションを的確に描写したコンテンツが参照されます。

大前提③ 「誰が読む記事か」を明示する

AI検索では、コンテンツが「誰のためのものか」の文脈もAIが読み取ります。

経営者向けの記事なのか、現場担当者向けの記事なのか。記事の冒頭で明示することで、AIがその記事を「この状況の人に推薦すべきコンテンツ」として認識しやすくなります。

フブキでは記事冒頭に「この記事は〇〇な方へ」という一文を入れる設計に変えています。

大前提④ Q&A形式のセクションを必ず入れる

AI検索エンジンは、「問いと答え」がセットになっているコンテンツを参照しやすい傾向があります。記事の末尾に「よくある質問」セクションを設けることで、AIOへの適合度が上がります。

この記事自体も、その構造を採用しています。

大前提⑤ タグは「AIのため」でなく「読者の導線」として設計する

上で述べた通り、AI検索においてタグページの直接的な影響は小さくなっています。タグの本来の役割は、「同じ悩みを持つ読者が関連記事を辿れるようにすること」です。

その観点では、「HubSpot」というタグよりも、「Web内製化」というタグの方が、読者にとって意味があります。前者は「ツールを知っている人」しか辿りませんが、後者は「自社でWebを運用したい人全員」が関連記事として辿れます。

よくある質問

Q. 既存のSEOタグはすべて捨てるべきですか?

A. すべてを捨てる必要はありません。「読者の悩み・状況を表しているか」で判断してください。「合意形成」「リブランディング」「採用サイト」のように、読者の問いや状況に対応しているタグは残す価値があります。一方、「CMS」「API」「Tech / Tool」のような技術カテゴリータグは、AIOにおいては読者の導線としての効果が薄い場合が多く、見直しを検討する余地があります。

Q. AIOキーワードとSEOキーワードは、別々に考えるべきですか?

A. 完全に別物ではありませんが、優先順位が変わります。SEOは「このキーワードで検索されるか」、AIOは「この問いに答えているか」が判断軸です。両方の観点で設計することが理想ですが、リソースに限りがある場合は「問い」を起点にした設計が、SEOとAIOの両方に対して効果的です。

Q. 「検索されないワード」をコンテンツに使っても本当に意味がありますか?

A. AI検索においては意味があります。ただし注意点があります。「検索されないが、問いの文脈にマッチするワード」は価値を持ちますが、「誰の問いにもマッチしない独りよがりのワード」は意味がありません。判断基準は「このシチュエーションにいる読者は実在するか」です。実在するシチュエーションを描写したワードであれば、検索ボリュームがゼロでも、AIが参照するコンテンツになりえます。

タグひとつの話から始まりましたが、辿り着くのは「誰に、何を届けるか」という問いです。

SEOの時代は、アルゴリズムに合わせてキーワードを選べばよかった。AIOの時代は、読者が持つ「問い」と「シチュエーション」を深く理解することが、コンテンツ設計の起点になります。

その整理から始めたい方は、ぜひフブキのCCBまでご相談ください。

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