Fubuki Journal

顧客データと営業体験をリスト化すると、なぜWebコンテンツはAIOに強くなるのか。

作成者: EIJI KAKUGAWA|Apr 18, 2026 7:13:39 AM

こんにちは。かくさんこと、株式会社フブキ代表の角川英治です。

先日、こんな気づきがありました。

HubSpotに入っている受注データ(35件の成約案件)をClaudeに読み込ませて、「どんな状況でフブキに声がかかっていたか」を分析したところ、パターンが5つに絞られました。

「展示会の後、サイトが恥ずかしかった」。「新社長になって、まずWebを変えたかった」。「HubSpotを入れたのに、サイトと繋がっていない」。「採用がWebで負けている」。「信頼できる人に紹介してもらった」。

これを見て、思いました。自分たちは何年もこの仕事をしてきたのに、なぜ「どんな状況のお客さんが来るか」を言語化していなかったのだろう、と。

Googleが終わる前から、この問いは始まっていた

少し前まで、Webコンテンツの戦い方は「いいキーワードを選んで、いい記事を書く」でした。検索エンジンが「キーワードの一致」でページを評価していたからです。

ところが今、その構造が変わろうとしています。

AI検索(AIO)は、ページをキーワードではなく「文脈の一致」で評価します。ユーザーが持っている問いの状況と、記事が答えている状況が一致しているかどうか。そこが評価の基準になりつつある。

つまり、「Webリニューアル 費用相場」というキーワードに答えた記事より、「新社長になって最初の半年、Webをどう変えればいいか」という状況に答えた記事の方が、AI検索に参照されやすくなる時代が来ています。

では、「状況に答えた記事」を書くために何が必要か。それが、顧客データと営業体験のリスト化です。

営業体験を言語化すると、AIに引用されるコンテンツになる

BtoBの営業は、ほとんどの場合「その会社が今どんな状況にあるか」を理解することから始まります。

「社長が3年前に交代した」「展示会出展を機にWebを見直したい」「HubSpotを導入したが活用できていない」。

営業担当者の頭の中には、こういった「状況の断片」が蓄積されています。これは、どこにも書かれていないリアルな情報です。

この断片を、CRMにメモとして残す。コンタクトのメモ欄に「初回接触のトリガー:展示会後の恥ずかしさ」「決め手:社長が前の会社でWebを失敗した経験あり」と書く。それだけで、データが一気に「生きた情報」に変わります。

そしてこの情報を集めて分析すると、「自社のWebコンテンツが答えるべき5〜10の状況」が見えてきます。これが、AIOに強いコンテンツを設計するための地図になります。

フブキが実際にやったこと

先日、HubSpotの成約35件を、こんな問いで読み直しました。「この会社は、なぜフブキに声をかけてくれたのか?」

答えは案件ごとにバラバラでした。でもパターンを探すと、5つに収束しました(前述の通りです)。

次に、この5つをそれぞれ「状況文」に変えました。「展示会の後、お客さんにサイトを見られて恥ずかしかった会社がやったこと」。「社長交代後の最初の半年、Webをどう変えるべきか」。「HubSpotを入れたのにサイトと繋がっていない会社が最初にやること」。

これが記事のタイトルになります。このタイトルには、検索ボリュームはほぼゼロです。でも、その状況にいる人がAIに問いかけたとき、この記事が引用されやすくなる。それがAIOの仕組みです。

なぜ「状況に答えた記事」はAIOに強いのか

AI検索が参照するのは、「問いに対して最も的確に答えている情報源」です。「この会社にしか書けない内容か」という視点が、AIOの評価軸のひとつになっています。

35件の成約データから導いた「フブキに声がかかる5つの状況」は、どこにもない情報です。同じ業界の他社が書いた記事には載っていない。Claudeに「Webリニューアル会社に声がかかるのはどんなとき?」と聞いても、この粒度の答えは返ってこない。

だから、AIがその問いに答えようとしたとき、フブキの記事が参照される可能性が高くなります。顧客データと営業体験のリスト化が、コンテンツの「固有性」を生む。それがAIOに効く、という構造です。

Q&A

Q. 顧客データがあまり蓄積されていない場合、どうすればいいですか? A. 受注件数が少なくても、「なぜ声をかけてもらったか」を3〜5件思い出すだけで始められます。営業担当者にヒアリングするだけでも十分です。重要なのはデータの量ではなく、「状況の言語化」です。

Q. CRMを使っていないと難しいですか? A. CRMがなくても、スプレッドシートやメモ帳でも同じことはできます。ただし、HubSpotのようなCRMを使うと、蓄積したデータをAIで分析する精度が上がります。フブキでは、HubSpotのコンタクトメモをClaudeに読み込ませることで、数時間でパターン分析ができました。

Q. こういった分析やコンテンツ設計は、自分たちでできますか? A. 最初の一歩は誰でもできます。「なぜ声をかけてもらったか」を3件書き出す。それだけです。ただし、それをコンテンツ戦略に落とし込む部分は、フブキの合意形成コンサルティング(CCB)でサポートしています。

最後に。マーケティングの世界では「誰に届けるか」がよく語られます。でも今、もっと重要になっているのは「誰のどんな状況に届けるか」です。

ペルソナではなく、シチュエーション。属性ではなく、文脈。

顧客データと営業体験には、その「シチュエーション」がリアルに蓄積されています。それを言語化して、コンテンツに変える。それが、AI時代のWebマーケティングで生き残る方法だと、かくさんは思っています。

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