── いまトップに、この記事のタイトルが出ているはずです
昨日、fubuki.com のトップページを少し変えました。
会社のスライダーよりも上、いちばん最初に目に入る場所に、ブログの最新記事のタイトルが大きく表示されるようにしたのです。今日であれば、この記事のタイトルがトップに載っています。
コーポレートサイトのトップというのは、ふつう「変わらないもの」を置く場所です。理念や、事業内容や、実績。私も26年間、そういうトップページを作ってきました。
それを、ほぼ!?毎日変わるものにしてみました。
なぜそんなことをしたのか、書いておきたいと思います。
マーケティングは「ニーズを掘り当てる」仕事だと言われてきました。数あるニーズの中から、当たりそうなものを見極めて、そこにページを作る。そういう考え方です。
ただ、あれは志が高かったからというよりも、単純にページを作るのにお金と時間がかかったからではないか、という気がしています。
すべてのニーズにページを用意することは、とてもできませんでした。だから絞った。絞るための理屈として「掘る」という言葉があったのだと思います。
掘っていたのではなく、掘るしかなかったのですね。
AIのおかげで、ページを作るコストがほとんどなくなりつつあります。実際、私はいまブログもサイトの改修もAIと一緒に進めていて、かかる時間は以前の何分の一かになりました。
作るコストがゼロに近づくと、絞る理由がなくなります。すべてのニーズをカバーするような実装が、ふつうにできてしまうのです。
当たりそうなニーズを
「掘る」から、「網を張る」へ
作るコストが消えると、絞る理由も消えます
方向性としては、こうなっていくと思っています。掘るのではなく、網を張る。狙い澄ますのではなく、広く待つ。そんなスタンスです。
ここで、ひとつ引っかかることがあります。
どの会社も網を張れるようになったら、どのサイトも一通りのニーズをカバーしている状態になります。情報の量や網羅性では、もう差がつかなくなるのです。
そのとき訪れた人は、何をもって「ここは良いな」と感じるのでしょうか。
「今、自分がリアルタイムで思っていることを言ってくれている」──そのシンパシーだけが、とっかかりになるのではないでしょうか。
整理された情報は、もうどこにでもあります。けれど「この人はいま、これを考えているのか」という手触りは、そのサイトにしかありません。
とっかかりとしては、それが唯一の引きになる気がしています。
それを、トップページで体現してみることにしました。
会社の看板より先に、私が昨日の夜に考えていたことが出てくる。訪れた方がいちばん最初に受け取るのは、事業内容ではなく「いま考えていること」になります。
新しいビジネスコミュニケーションの手法を実験している会社なのだということを、説明ではなく、トップページの挙動そのもので伝えたいと思っています。
うまくいくかは、わかりません。実験ですので、しばらくこのまま育てていきます。
── と言いつつ、このタイトルをご覧になった方に「それで、何の会社なんですか?」と思われる未来も、わりとはっきり見えています。とほほ。