フブキが産声をあげたのは、20年以上前の1999年。創業以来「ウェブサイト制作」を事業の柱としてきました。インターネット黎明期から「企業」と「ウェブサイト」「ブランディング」について向き合ってきたフブキは、哲学を持ってPRとサイト制作に取り組んでいます。
私たちが考えていること、フブキの「哲学」について、代表の角川に聞きました。
――PHILOSOPHY1では、ブランディングとは「ビジネスコミュニケーションを円滑にするためにすること」とのコメントがありました。ただフブキは外から見ると「サイト制作を行う企業」。サイト制作とビジネスコミュニケーションってどんな関係があるんでしょうか?
まず「良いウェブサイトって何?」って考えると、「ビジネスコミュニケーションショートカットになりうるツール」なんだよね。例えばウェブサイトは、24時間、365日見られるし。
――それって、看板とは何が違うんですか?駅とかにバーンとあるじゃないですか。〇〇整形外科とか。
例えば、整形外科だったら腰が痛くなったら行って「腰が痛くて困ってるんです」って言えばいいけど、他の業種だとこうはいかないじゃない?
特にBtoBだと、ぱっと見ただけでは、「何に使うかわからない」「どこで使うかがわからない」サービスが多い。社名とサービスが一体化してないケースも多かったりするし、そういう企業が看板で広告しても伝わらないよ。
――そう考えるとWEBがない時代って、どうしてたんですかね?
何とか会えるチャンスをつくり、カタログ渡して話していたんだと思う。で、「私達はこういうもので、こういうことをしています」「強みはこれで、実績はこれで、背景はこれで、こういうことができます」という自己紹介、つまり営業的な最初のくだりを1時間近くかけて伝えていた。
――あー、そう考えると腑に落ちます。営業で出会うこと、出会って最初に伝えるべきことが、企業のホームページを見ることでショートカットできるんですね。
フブキを例にとると「ブランディングとWEB制作できますよね?」「はいできます。それで、より詳しく聞かせてもらえますか?」からスタートできるってこと。最初のくだりはホームページですむ。
――それって1990年代後半にフブキを立ち上げた頃にも感じていたことですか?
いや、はじめは単にかっこいいホームページがつくりたかっただけ。マウスオンして色が変わるとかも、いちいちソース書かなきゃだし、それが面白かった。
ただ昔話になっちゃうけど、インターネットには衝撃を受けた。サラリーマン時代に「不動産の相談に乗ります」ってサイトを自力でつくってyahooに登録したらすぐに掲載されて。当時はURLを送ると載せてくれるって形で、不動産のカテゴリーには三井不動産と俺がつくったサイトしかなかったんだよ。
その頃は若かったこともあり、「自分がどこにいても、真面目コツコツ仕事をしていたらオファーしてくれる人がいるぞ」って思った。誠実さが通じるこんな世界ないぞ!世の中変わるぞ!って感動したもんだよ。
――今のインターネット空間の空気感とは大きく違っていたんですね。
そうはいっても、基本的なところは今も変わらないと思うけどね。ちょっと話がそれるけど、SNSがメディアになりえないのは、決められたプラットフォーム上にいるからだと思ってる。IDを付与されてそのプラットフォームに入った瞬間「そのプラットフォーム上のなにがしか」になってしまう。
人ってそういう在り方に満足できないんじゃないかな?それに、もし俺がSNSに全力を注いでいたら心のどこかで常に不安がつきまとうと思う。「このプラットフォームがなくなったらどうしよう?」ってふと思いそうだもん。
その一方で、コーポレートサイトは自分(自社)のメディアになりうるし、自然と自らを標榜する存在になってくる。
――フブキがお客様に提案する際にも、よく話す言葉ですね。
もちろん、「問い合わせが増えて欲しい」も大事だけど、お客様の将来のお客様に向け「どんな姿を見せたいか」が重要になってくるんじゃないかな?
お客様に対する提案も「お客様が将来ありたい姿」じゃないとだし、「良いサイト」というか「最適なサイト」って、ちょっと先の自分が描けているサイト。ちょっと先の自分が写る鏡なんじゃないかな?
将来こうありたい自分(企業)がいて、そこで出会う人との間のコミュニケーションのショートカットとなりうるもの。それが最適なサイトだと考えている。
さらに言えば、つくったサイトを更新し続けることで、理想の在り方に自分たちが近くなっていけると最高だよね。
――今も昔も「自らを表現し、誰かと出会うこと」がインターネット空間の基本というのは変わらないですね。
ただ、変わってくところもあるよ。
一番ショックだったのが、世の中の人がこんなにも早く検索しなくなるとは思わなかったってことだよ。