「GDPR」という言葉をご存知でしょうか？「一般データ保護規則（General Data Protection Regulation）」の略称で、EUにおける企業と個人情報に関する規制です。2018年5月25日から適用されています。GDPRはEU地域の市民の個人情報保護を強化するもので、この施行により個人情報を収集または処理する法人に課される義務が大きく増えています。

うちには関係ない！と思いきや…

GDPRは、1995年のEUデータ保護条令（DPD）に代わって施行されものです。これにより、企業が連絡先情報を使用・処理するためには法的根拠が必要となりました。具体的には、情報の提供者による同意と、合法的な処理方法を示す証拠を記録に残すことが義務化されたのです。

EUの規制なので、EU地域に事業所を構えていたり取引があったり顧客がいる企業は、この規制への対応は必須です。一方、日本語ホームページや顧客が国内にのみ存在する企業には、今のところ関係はない、と言えます。フブキでも多言語サイトを構築する場合、GDPRへの対応を強く推奨しています。

しかし、国内でも2022年に改正された個人情報保護法が施行。サイト訪問者から取得した情報の利用目的の明確化が必要となりました。

つまり、国内でも個人情報の取り扱いに関する規制は強まっているため、いずれはGDPRと同等かそれに近い規制がなされると推察できます。

「個人情報の取り扱いが変わる」どんな影響があるの？

GDPRでは「IPアドレス」や「Cookie」、つまりオンライン識別子が個人情報と規定されています。Cookieは今まで個人情報とみなされてなかったのですが、取得時にサイト訪問者の同意が必要となっています。

なおCookieなどのオンライン識別子は、Web広告（ターゲティング広告）で使われています。そのため、今後、ターゲティング広告などが実施できなくなるのでは？との懸念もあります。

多くのグローバル企業は、すでに対応を進めています。例えばGoogleでは「Google Chrome」で、2022年までに段階的にサードパーティcookieを廃止することを公表しました。

Web上での個人情報の取り扱いは、年々厳しくなっていくことは避けられません。企業と企業のホームページは、対策を講じる必要があると言えるでしょう。

じゃあどうすればいいの？

ちなみに、Cookieなどオンライン識別子を含む個人データは全く使えなくなるわけではありません。

データを持つ個人・ユーザーなど「データ主体」が、データの取得や利用の目的に明確に同意した場合には、規制の対象にはなりません。例えば、最近さまざまなホームページで見かける「Cookieバナー」で同意を取るのも方法です。HubSpotではCookieバナーの設定がどのプランでもできます（サイト構築時にはフブキが設定するので、ご安心ください）。

HubSpotではGDPRへ対応するための機能を一括で設定できます。GDPRが有効になると、自動でアカウントに下記の機能が追加されます。

◎Cookieの使用に対する同意のバナーが既定でオンになる

◎HubSpot Sales拡張機能またはアドインを利用されている場合、コンタクトのデータ処理の法的根拠がなければ、それを通知するバナーがコンタクトレコード上に表示される

◎新しく作成されたフォームの法的根拠通知およびコミュニケーション同意チェックボックスのフォームフィールドを使用したGDPR対応フォームが設定される（なお、既存のフォームの場合、フォームごとに通知と同意に関する情報を追加する必要あり）

◎GDPR有効化後に追加されたユーザーについては、1対1のセールスEメールおよびシーケンスEメールの配信登録解除リンクが既定でオンにされる（なお、既存のユーザーについては、以前の設定に基づき、同じ状態になる）

◎既定で通知／同意を含むスケジュール設定ページ（GDPRを有効にする前に作成されたスケジュール設定ページは、このメッセージを含めることはできない）

◎リストのインポート、一括編集、または手動コンタクトの作成により、コンタクトに処理するためのコミュニケーション同意と法的根拠を追加する機能

注：アカウントでGDPRをオフにしても、Cookieの使用に対する同意のバナーは自動的にはオフにされません。 

他にも「コンタクトのデータを処理するための法的根拠」（コンタクトのプロパティー内）は、契約や正当な利害関係、および／または同意に基づくHubSpotのコンタクトに関するデータ処理の法的根拠を収集、追跡、保存するのに役立ちます。 

多言語サイトはもちろんのこと、これからの個人情報に関するトレンドを考えると、HubSpotを使うことは大きな助けとなると言えるでしょう。

注： HubSpotはこれら機能を提供していますが、あくまで補助的なリソースとして位置づけております。運用には社内の法務担当者にご確認のうえ、設定等をお願いします。