The HubSpot Hug
2025年10月04日
BtoBサイトのリード獲得分析において、GA4/サーチコンソールとHubSpotはそれぞれ異なる役割を担い、両者を連携させることでより精度の高いサイト改善が可能です。
GA4とサーチコンソールは「サイトへの集客(PR活動)がうまくいっているか」という入り口部分をマクロな視点で計測するのに適しています。一方、HubSpotは「サイトに来た人がどのような行動をとり、どんなリードになったか」という入り口からコンバージョン後までをミクロな視点で分析し、サイト改善や営業活動に繋げるのが得意です。
以下に、それぞれのツールで最低限見るべき項目と視点を解説します。
HubSpotの強みは、獲得したリード(コンタクト)一人ひとりの行動を詳細に追える点です。この「個」のデータを分析し、サイト改善に繋げます。
まず、既に受注に繋がった顧客や、有望なリード(MQL/SQL)が、サイト上でどのような行動をしていたかを分析します。
閲覧ページ: どの製品・サービスページや導入事例、料金ページをよく見ていましたか?それらのページは、有望な見込み客の関心が高いと判断できるため、さらに情報を充実させたり、関連コンテンツへの導線を強化したりします。
初回接点のコンテンツ: 彼らが最初に接点を持ったのは、どのブログ記事やホワイトペーパーでしたか?そのコンテンツは、有望なリードを引き寄せる力が強いと考えられます。類似のテーマで新しいコンテンツを作成したり、そのコンテンツを広告などで積極的に露出させたりする戦略が有効です。
リードが生まれた場所(フォームやCTA)のパフォーマンスを分析し、改善のヒントを得ます。
フォームのパフォーマンス: どのフォームからのコンバージョン率が高い/低いかを確認します。「お問い合わせ」と「ホワイトペーパーダウンロード」では、後者の方がハードルが低くCVRが高いのが一般的です。もし特定のフォームのCVRが極端に低い場合、入力項目の多さや分かりにくさが原因かもしれません。A/Bテストなどで改善を図りましょう。
CTAのパフォーマンス: どのCTA(Call to Action)が多くクリックされていますか?「詳しくはこちら」といった曖昧な文言よりも、「無料で見積もりを依頼する」「お役立ち資料をダウンロード」のように、具体的なアクションを示すCTAの方がクリックされやすい傾向があります。効果の高いCTAのデザインや文言を、他のページにも展開していきましょう。
どのような経路やコンテンツから獲得したリードが、その後商談化しやすいかを分析します。
アトリビューションレポート: リード獲得や受注に貢献したコンテンツやチャネルを多角的に分析します。例えば、「自然検索経由でブログ記事Aを読んだ人が、後日Facebook広告経由で製品Bのページを見て、最終的にお問い合わせに至った」といった経路を可視化できます。これにより、どのマーケティング活動が成果に繋がっているかを正しく評価し、予算配分を最適化できます。
GA4とサーチコンソールは、サイト全体の集客状況を把握し、PR活動の効果を測定するために使用します。特に以下の項目に注目しましょう。
PR活動が狙い通りに機能しているかを確認します。
レポート > ライフサイクル > 集客 > トラフィック獲得: どのチャネル(Organic Search: 自然検索, Paid Search: 広告, Direct: 直接流入, Referral: 参照元サイトなど)からの流入が多いかを確認します。例えば、特定の業界メディアにプレスリリースを配信した場合、Referralからの流入が増えているかなどをチェックします。
ユーザーの具体的なニーズを把握し、コンテンツ改善に繋げます。
検索パフォーマンス > クエリ: ユーザーが実際にどのようなキーワードで検索してサイトにたどり着いたかがわかります。「(自社製品) 導入事例」といった具体的なキーワードでの流入が多ければ、事例コンテンツの充実が効果的だと判断できます。また、想定していなかったキーワードからの流入は、新たなニーズの発見に繋がります。
どのページが集客の窓口として機能しているかを確認します。
レポート > ライフサイクル > エンゲージメント > ランディングページ: ユーザーが最初に訪問したページの一覧です。特定のブログ記事や製品ページへの流入が多い場合、そのページがSEOや外部からのリンクで評価されている証拠です。そのページを起点に、他の関連ページへスムーズに回遊できるような導線設計が重要になります。
最終的な目標であるリード獲得が、どのチャネルやページから生まれているかを計測します。
「お問い合わせ完了」や「資料ダウンロード完了」などのサンクスページをコンバージョンとして設定し、計測します。
トラフィック獲得レポートでチャネルごとのコンバージョン数を確認し、どのPR活動がリード獲得に貢献しているかを評価します。例えば、広告経由のセッションは多いがコンバージョンが少ない場合、広告のターゲティングやメッセージを見直す必要があるかもしれません。
GA4で集客の全体像を把握し、HubSpotで個々のリードの動きを深く分析することで、データに基づいた効果的なサイト改善とリード獲得戦略の立案が可能になります。