Fubuki Journal

AIは「今」の会社のことは知らない。だからこそ、合意形成がWebサイトを救う。

2026年04月03日

こんにちは。『かくさん』こと、株式会社フブキ代表の角川英治です。

【結論から申し上げます。】

Claude、napkin AI、Adobe Firefly──AIが次々と実務に浸透するなか、Webサイトの制作・刷新においても「AIに任せればいい」という誤解が広がっています。しかし、AIが知っているのは「学習データの中に記録された過去の御社」であり、「今期の戦略転換」や「現場が感じている手触りのある課題」はAIには届きません。この根本的なズレを埋める唯一の方法が、全社合意形成です。


AIが知っている「御社」は、半年前の御社である

Claude(Anthropic)をはじめとする生成AIは、特定の学習データをもとに回答します。たとえば「うちの会社のことを説明してください」と聞けば、Webサイトやプレスリリースに書かれた内容を要約するでしょう。

しかし、そこに書かれていることは本当に「今の御社」でしょうか。

  • 社長が交代して、事業の軸足が変わった
  • 主力製品が切り替わったが、Webサイトには旧製品の説明が残っている
  • 採用の軸が「即戦力」から「ポテンシャル採用」に変わった

こういったリアルタイムの変化を、AIは知りません。napkin AIがビジュアルを生成しても、Adobe Fireflyがビジュアルを整えても、インプットが古ければアウトプットも古い。「AIで効率化した結果、古い会社像を美しく表現しただけ」になってしまうのです。


Webサイトが「正しく更新されない」本当の原因

多くの企業のWebサイトが時代遅れになるのは、更新の「技術的な問題」ではありません。本当の原因は、社内に「今の御社」についての合意が存在しないことです。

たとえば、このような場面に心当たりはないでしょうか。

「Webサイトを刷新したいと思って制作会社に相談したら、終盤で上司から『これは違う』と言われてやり直しになった。」

「担当者が一生懸命まとめたのに、社長の一言でひっくり返った。」

これは担当者の能力の問題でも、制作会社の問題でもありません。そもそも、御社が今どこに向かっているのか、誰が何を伝えたいのかという合意が、プロジェクト開始前に存在していなかったのです。

AIがどれだけ賢くなっても、この「社内の合意不在」という問題は解決してくれません。むしろAIが高速に動けば動くほど、合意のないまま制作が進み、「やり直し」のスピードも上がってしまいます。


Claude・napkin AI・Fireflyと合意形成の正しい関係

フブキがAIツールを積極的に活用するのは、そのコンテキストが正しく整っているからです。

たとえば記事のビジュアル設計においては、Claude で構成を練り、napkin AI でフローや概念図を生成し、Adobe Stock の特定作家の世界観をFirefly で拡張してnanobanana で量産する、というフローを実際に運用しています。

しかしその手前に、必ず「これは誰のための記事か」「この記事でどんな印象を持ってほしいか」「御社のトーン&マナーとして何がOKで何がNGか」という人間同士の合意があります。

AIは「決まったこと」を速く美しく表現する道具です。「何を決めるか」は、人間が話し合うしかない。この順番を間違えると、AIは誤った方向に向かって高速に走るだけです。


CCBメソッドが解決する「見えない問題」

フブキの「CCB(Corporate Consensus Builder)」は、Web制作の前段階に特化したワークショップ形式の合意形成メソッドです。

経営層、営業、製造、マーケティング、採用担当——それぞれが「御社の今」についてまったく違う認識を持っていることが、ほぼ例外なく明らかになります。この「ズレの可視化」こそが、CCBのもっとも重要な価値です。

具体的に言うと、こういうことです。

営業部長の認識: 「うちの強みは圧倒的なスピード対応だ。それをWebサイトで前面に出してほしい。」

製造部長の認識: 「うちの強みは品質の緻密さだ。スピードより品質を打ち出すべきだ。」

代表の認識: 「今期から新市場に参入する。既存の強みより、新しい顔を見せてほしい。」

この3者の認識のまま制作に入れば、担当者はどこに向かえばいいかわかりません。AIに「御社の強みをWebサイトで表現してください」と頼んでも、三者三様の答えが返ってくるだけです。

CCBは、このズレを会議室の中で言語化し、ステークホルダー全員が「そうだ、これが今の私たちだ」と腹落ちできる一本の物語を作ることに集中します。


合意形成のあとに、AIが最大限に機能する

CCBによって「今の御社」の物語が決まれば、あとはAIが驚くほどの速度で動きます。

Claude でメッセージのたたき台を作り、napkin AI で伝えたい構造を図解し、Adobe Firefly と nanobanana で世界観を統一したビジュアルに仕上げる。この流れが初めて正しく機能します。

合意形成というプロセスは、AIが普及したことで「不要になる」のではなく、むしろAIを正しく使うための必須の前工程になりました。

「AIに任せればなんとかなる」という感覚は、玄関の鍵を開けずに「スマートホームのアプリで家電を全部操作する」ようなものです。まず鍵を開けなければ、どれだけ高機能なアプリも意味をなしません。


まとめ:AIの時代こそ、合意形成が競争優位になる

AIは「今の御社」を知らない。だから、今の御社を正確に言語化して全社で合意する企業だけが、AIを本当の意味で武器にできます。

napkin AIで図を生成する前に。Claude でコピーを磨く前に。Adobe Fireflyでビジュアルを整える前に。まず「今、私たちは何者で、誰に何を伝えたいのか」という問いに、社内全員で向き合うことが、すべての起点になります。


リブランディング時に効果を発揮する合意形成コンサルティング「CCB(Corporate Consensus Builder)」の詳細は、以下のページよりご覧ください。

全社一致のブランドを創る「合意形成コンサルティング CCB」


 

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