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パーソナライズ基礎講座(上)

HubSpotを語る上で良くでてくるのが「パーソナライズ」。今回から2回に分けて「パーソナライズ」について解説したいと思います。

HubSpotの強みの一つ

+ Hubspot CMSだからできるユーザーのパーソナライズ」の記事にもあるように、HubSpotの強みの一つとしてあげられるパーソナライズ機能。

ざっくり言うと「ユーザーごとに最適な情報を提供すること」です。従来の企業から顧客への情報提供は、(ある程度は分けられたものの)画一的な情報発信が一般的でした。今はいわゆる「その人に刺さる情報」を届けること=パーソナライズされた情報を届けることが重視されています。

ユーザーは自分の好みに合った商品やサービス、また適切な情報を取得できるので満足度が向上します。中長期的には、その企業に対する信頼感の向上も期待できます。

「あれも」「これも」パーソナライズ

では、パーソナライズはどのような場面で活用されているのでしょうか。一度は目にしたことがある代表的なものを紹介します。

パーソナライズド広告

検索履歴や閲覧履歴に基づきそれぞれのユーザーに合った広告を表示する施策です。サイトの右端などにバナーとして表示される広告で、Google広告、Yahoo!のWeb広告サービスなどがあります。

なお、パーソナライズド広告は、パーソナライズを集客に活かしたい場合に最適です。

メールのパーソナライズ

ユーザー属性に加え興味関心、ECサイトでは購入履歴などのデータを基に、送信するメールの内容やタイミングを調整するものです。例えば購入履歴が1回の顧客には商品A、5回の顧客には商品Bを勧めるといったアプローチができます。

メールのパーソナライズは、メール開封率やコンバージョン率の向上が期待できます。

他にもECサイトで特定の商品ページにアクセス→その閲覧履歴に基づき「あなたへのおすすめ商品はこちら」といった具合に情報が表示されるものもパーソナライズです。また、ニュースサイトで、過去に読んだ記事の傾向から各ユーザーに合った記事を配信するケースも良く見られます。

カスタマイズと何が違うの?

パーソナライズは別名「パーソナライゼーション」とも言われています。画一的な情報発信ではなく、ユーザー属性や行動履歴、興味関心に基づき、適切なサービスやコンテンツを提供していく手法を指します。

というと「カスタマイズと同じじゃない?」との疑問が湧きます。事実、「ユーザーが好みに合ったコンテンツ・サービスを享受できる」という点は変わりません。

大きな違いは、「誰が」ユーザーの好みに合わせるのか?という点です。

  • カスタマイズ:企業から提供された情報を「ユーザー」が自分の好みに合うよう変更
  • パーソナライズ:「企業」がユーザーの属性や好みに合った情報を提供

    なお、カスタマイズが有効なのは、ユーザーが自分のニーズを正確に把握しているケース。パーソナライズが有効なのはこの逆で、ユーザーが自らのニーズを理解・把握していない場合です。情報を提供する企業側が最適・適切な情報を提供することで、ユーザーの満足度の向上が図れるのです。

パーソナライズ化にもデメリットはある

パーソナライズ化されたサイトを利用するユーザーは、自分の好みに合った商品やサービスに出会えたり、適切な情報の取得ができます。端的に言えば、売上や顧客単価の向上も期待できるのです。

しかし、良いことばかりではありません。パーソナライズ化のデメリットもあります。

  1. 提供する情報が偏りやすい
  2. アナログな施策の場合はコストがかかる
  3. 商品数やコンテンツ数が少ないと効果がわかりにくく効果そのものも出づらい

    1.提供する情報が偏りやすい

過去に取得したデータを基にすることが多く、その場合、提供する情報に偏りが生まれることがあります。

よく「一度、偶然検索したものに関連する情報が延々と表示される」ことで、不満を感じるのは誰しも経験があるでしょう。例えば、近所の美容院を一度探しただけで何度も美容院に関する情報が表示されるのは、あまり気持ちが良いものではありません。ユーザーによっては「情報が操作されている」と思うこともあります。パーソナライズでは、適宜ユーザーの反応を見つつ判断と調整することが不可欠です。

2.アナログ施策はコストがかさばりやすい

パーソナライズは、デジタル施策だけではありません。例えば、通販の購入などの後、そこで取得したユーザーの属性や行動履歴に基づき、DMやカタログなどを発送するなどアナログな施策もあります。その場合、印刷費や発送費といったコストがかかるので、あらかじめ費用対効果を考えておくことがポイントとなってきます。 

3.商品数やコンテンツ数が少ないと効果が出づらい

パーソナライズはどんなときも効果を発揮するものではありません。例えば「沢山の選択肢から自分に合うものを効率良く見つける」などの際に有効です。

つまり、コンテンツや商品の種類・数が少ない場合、思ったほど発揮しない、もしくは効果を測定・分析することが難しくなるケースもあります。自社で扱うものがパーソナライズが有効かどうかを検討することも大切になってきます。

パーソナライズ化のメリット

こうしたデメリットを踏まえたうえで、改めて、パーソナライズ化のメリットを紹介します。

  1. コンバージョン率向上
  2. エンゲージメント向上
  3. 顧客定着率を改善できる
  4. 直帰率を減少させる
  5. 効率的なマーケティング施策を実行できる

 
1.コンバージョン率向上

例えば、スマートフォンを買った人にそのスマホに合うケースの購入を勧める、プリンターを購入した人に印刷用紙の購入をサジェストするなど、過去に購入した商品と関連深い商品を提案することも可能です。個別商品のコンバージョン率の改善が期待できます。

2.エンゲージメントの向上

ある商品を購入した際に不可欠なものがすぐに提案されることで、ユーザーはより効率良く目的のページにたどり着けます。「求めている情報」が「必要なタイミングで手に入る」。購入のための検索の手間を省けるなど、ユーザーの利便性が高まると満足度も向上。ひいてはエンゲージメントの向上に寄与します。

3.顧客定着率を改善できる

顧客データを基に「限定クーポン」を配布したり、購入履歴に基づいた「限定商品」を紹介すること等で、顧客定着率の向上が期待できます。その場合、顧客向けのアンケート調査実施し、その結果をパーソナライズデータに加える方法も効果が期待できるでしょう。

4.直帰率の減少

ニーズや困りごとへの最適解・最適な情報を提示することは、直帰率の減少にもつながります。また、ページスクロール量も増加するとが予想されます。

企業が提供する情報とユーザーが求める情報との間の齟齬をなくし、Webサイトで直帰率を下げることも期待できます。
 
5.効率的なマーケティング施策の実行できる

パーソナライズの手法を活用した「パーソナライズドマーケティング」では、「いつ」「誰に」「どのような内容」を提供するのか絞り込むことができます。つまり、自社に興味を持つユーザーのみに対し、効率良く施策を実行できるのです。

「不特定多数のユーザーに画一的なアプローチを行う」マス的な手法とは違い、自社に興味を示すユーザーを増やすことが可能となるのです。

 

次回はパーソナライズが必要とされる背景など、より詳細な事項について紹介します。

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