Fubuki Journal

2026年のデザイントレンドは「安心」がキーワード。なぜ企業は「Bento Grids」や「巨大文字」を選ぶのか?

2025年12月08日

はじめに:美しさの裏にある「機能的な必然性」

Webサイトのデザインは、単なる「装飾」から「機能」へと進化を遂げました。

2026年に向けて注目されている新しいデザイントレンドを分析すると、ある共通点が見えてきます。それは、「情報の伝え間違いを防ぐ」「どんな環境でも壊れない」といった、ビジネス上の「安心感」を担保するための工夫であるという点です。

「カッコいいサイトを作りたい」という要望の奥底には、**「顧客に信頼されたい」「誤解なく自社の魅力を伝えきりたい」**という本質的な願いがあるはずです。

今回は、これからの企業サイトのスタンダードとなる3つのトレンドについて、なぜそれが選ばれているのか(Why)、そして具体的な事例(Example)を交えて解説します。


トレンド1:情報の整理整頓「Bento Grids(ベントー・グリッド)」

Appleのプロモーションビデオやダッシュボード画面で一気に市民権を得た、情報を四角い「箱(セル)」に分けて配置するデザイン手法です。

  • なぜ流行るのか?(安心ポイント)

    • 崩れない堅牢性: 画面サイズが異なるスマホ、タブレット、PCのどこで見ても、ブロックが積み重なるだけでレイアウトが破綻しません。「見る環境によって表示が崩れて、素人っぽく見える」というリスクを構造的に排除できます。

    • 情報の網羅性: 多くの機能を並べても「散らかった印象」を与えず、知的で整理された企業イメージを醸成します。

【参考事例:Bento Gridsを取り入れているサイト】

  1. Apple (iPhone 16)

    https://www.apple.com/jp/iphone-16/

    このトレンドの象徴です。カメラ性能やチップ情報など、複雑で膨大なスペック情報を、大小のボックスに収めることで直感的な理解を促しています。

  2. Linear

    https://linear.app/

    世界のSaaSデザインの金字塔です。ダークモードの背景にグリッド状に機能が並び、「プロフェッショナルなツール」という信頼感を演出しています。

  3. Bento.me

    https://bento.me/en/home/

    その名の通りBento UIを体現したプロフィール作成サービス。SNS、地図、画像などが全て「お弁当箱の具」のようにセルの中に美しく収まっています。


トレンド2:無意識の信頼を作る「マイクロインタラクション」

ボタンにカーソルを乗せた時のわずかな沈み込みや、スクロールに合わせた滑らかな出現など、細やかな「動き」の実装です。

  • なぜ流行るのか?(安心ポイント)

    • 「生きたサイト」の証明: ユーザーのアクションにサイトが反応することで、「丁寧に管理・メンテナンスされている=しっかりした会社である」という無意識の信頼感(安心)を与えます。静止画だけのサイトよりも、ユーザーの滞在時間を延ばす効果が期待できます。

【参考事例:心地よい動きを取り入れているサイト】

  1. Stripe

    https://stripe.com/jp

    金融インフラ企業として、「信頼感」と「先進性」を動きで表現する世界最高峰の事例。メニュー展開やグラデーションの動きが、ユーザーに安心感を与えます。

  2. SHIFTBRAIN

    https://www.shiftbrain.com/

    日本を代表するデジタル制作会社。スクロールに合わせた文字の動きやページ遷移の演出が心地よく、「技術力のある会社」であることを雄弁に語ります。

  3. ヤマハ発動機 (デザイン・技術)

    https://global.yamaha-motor.com/jp/design_technology/design/

    大手ブランドサイトでも採用が進んでいます。画像へのフォーカスや要素の浮き上がり方が丁寧で、ユーザー体験(UX)を損なわない手本のような実装です。


トレンド3:伝言ゲームを終わらせる「和文タイポグラフィの巨大化」

イメージ写真で雰囲気を伝えるよりも、極太・特大の日本語フォントでメッセージをドンと配置する手法です。

  • なぜ流行るのか?(安心ポイント)

    • 誤解させない: スマホで流し見するユーザーに対し、企業の「言いたいこと」を強制的に視界に入れます。「何をしている会社かわからない」「メッセージが伝わらない」というコミュニケーションロス(機会損失)を未然に防ぎます。

【参考事例:言葉の力でデザインしているサイト】

  1. 日本デザインセンター

    https://www.ndc.co.jp/

    余白と文字サイズのバランスが絶妙で、圧迫感よりも「品格」を感じさせます。日本語の美しさを最大限に引き出し、企業のスタンスを明確に伝えています。

  2. RECRUIT (採用サイト)

    https://www.recruit.co.jp/employment/

    人材系サイトでは「熱量」を伝えるために巨大文字がスタンダードになりつつあります。キャッチコピーを画面いっぱいに表示し、求職者の手を止めさせます。

  3. 中川政七商店 (採用)

    https://www.nakagawa-masashichi.jp/company/recruit/

    縦書きの巨大な文字を大胆に使用。和風でありながら古臭くなく、モダンな印象を与えます。テキスト自体をグラフィックとして扱う好例です。


「トレンド」を「運用」に落とし込むために

これらのトレンドは、見た目が良いだけでなく、**「情報が伝わりやすく、壊れにくい」**という機能的なメリットがあります。

しかし、いざ自社サイトに取り入れようとすると、「高度な実装技術が必要でコストがかかる」「運用フェーズで担当者が触るとデザインが崩れてしまう」といった壁にぶつかりがちです。

フブキでは、こうした**「デザイントレンド(攻め)」「運用の安心感(守り)」**を両立させるための、2つのアプローチをご用意しています。

1. コンテンツそのものを資産化する「CCB (Corporate Content Builder)」

Webサイトのリニューアルのたびに、原稿や素材を整理し直していませんか? CCBは、企業のコンテンツ(資産)を一元管理し、Webサイトだけでなく会社案内や営業資料へも展開可能にする「情報の母艦」です。トレンドのデザインが変わっても、中身のデータは揺るがない「安心」を提供します。

👉 CCB (Corporate Content Builder) の詳細はこちら

2. デザインと運用を両立する「FUBUKI CMSツール (FUBUKI Modules)」

「Bento Grids」のような最新レイアウトも、ブロックを組み合わせるだけで、誰でも直感的に作成・更新が可能になります。HubSpot Content Hubをベースに、日本企業の現場が使いこなせるよう最適化されたCMSツールです。「内製化したいけれど、クオリティは落としたくない」という企業様の正解がここにあります。

👉 FUBUKI CMSツール (FM) の詳細はこちら


「デザイン」を選ぶことは、これからの企業の「あり方」を選ぶことでもあります。

見た目の美しさと、揺るぎない運用の安心感。その両方を手に入れたいとお考えでしたら、ぜひ一度フブキにご相談ください。

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