フブキが産声をあげたのは、20年以上前の1999年。創業以来「ウェブサイト制作」を事業の柱としてきました。インターネット黎明期から「企業」と「ウェブサイト」「ブランディング」について向き合ってきたフブキは、哲学を持ってPRとサイト制作に取り組んでいます。
私たちが考えていること、フブキの「哲学」について、代表の角川に聞きました。
――フブキは「ブランディング志向のWEB制作会社」を掲げていますが、ブランディングについて考え始めたきっかけって何ですか?
話はすごく単純で、ウェブサイトを制作する際、お客様企業のロゴが提案したいデザインに合わなくて。ロゴを変えませんか?という提案も必要になって、というのがきかっけかな?
今のフブキの姿勢は「デザインをとりあえず3案提出」ではなく、ちゃんとお客様に話を伺って企画の提案からスタートするけど、昔は「企画をもとに、デザインで魅せる」っていう発想はなかった。
そもそもウェブサイト自体に、今のようなトンマナや高い編集力が要求されてなかったってのもあるけどね。この20年の間にウェブサイトの位置づけも変わってきた。会社案内そのままでなく、企業のサービス内容をわかりやすく説明する必要も出てきて、おのずとデザインやブランディングも不可欠になってきたと思う。
これは色々なところで話をしているけど、「ホームページは写し鏡」。その人や企業自身・やっていることが適切に写し出され、できるだけ早く価値評価を受けることが重要だと考えている。
――つまりブランディングって、よりわかりやすい表現のため、もっと言えばより多く問い合わせに必要ってことですか?
フブキの考える「ホームページの価値」って視点から見ると、よりわかりやすい表現が必要ではあるけど、「問い合わせ数」だけを考えると、ちょっと変わってくるのかも。
問い合わせを増やすには、競合他社に勝つ必要がある。つまり検索したときに引っかかりやすくするために「競合他社の企画を調べ、全部入れ込む」が、“理屈としては”良い企画なんだと思う。例えて言うなら「最高スペックのスマホは誰でも欲しい」ってことに似ているかな?
ひょっとすると、比較のなかにのみ「ブランディング」「らしさ」は存在するのかもしれないしね。
――ただ、フブキのサイト制作・提案はそういう手法を採ってないですよね?
今も費用と時間が見合えば、競合を調査して提案ってのはやってみたいと思うよ。ただそこまでやらないのは、ちょっとしたフブキの哲学、考え方も影響しているのかもしれない。
例えば「サイトをつくって問い合わせが増えた」っていうのをお客様から聞くのは嬉しいけど、最大の喜びじゃない。一番嬉しいのは、お客様に気づきが生まれること。CCB(コーポレート・コンセンサス・ビルダー)コンサルティングをしていてお客様が「あー!それそれ!」って自らについて気づく瞬間が、俺はすごく好きなんだ。
――じゃあブランディングって何なのでしょうか?
ブランディングっていうと、大手広告代理店が大企業と一緒に取り組むといったイメージを持ちがちだけどそれは違う。どの企業でも必要だし、実は個人でも必要なことだと思っている。
もしかしたら「ホームページは自己表現の最たるものだ」って思ってない人には、フブキの考え方は刺さらないのかもしれない。少なくとも「とにかくPRできるものを、1ページでもいいからつくっといてよ!」っていう考え方のお客様とは合わないよね。
――それは私も思います。
フブキは「ウェブサイトはPR戦略の一環」って言っているけど、PRって自己表現の一つだと思う。だから、ブランディングっていうのは、ある意味「自分たちを正確に標榜したい」という思いを形にすることなのかな?
――ブランディングって何のために必要なのでしょうか?そもそもやるべきなんでしょうか?
ビジネスをするためにはコミュニケーションが必要で、そのためには自分たちを正しく伝えることが欠かせない。言い換えると、ブランディングとは「ビジネスコミュニケーションを円滑にするため」にすること。そう考えると、ブランディングって欠かせないんじゃないかな?
少なくともお客様とはそういう思いは共有したい。設計思想とでもいうかな?それを持ちたいと思うお客様と、それを共有して仕事ができたら嬉しいね。