フブキが産声をあげたのは、20年以上前の1999年。創業以来「ウェブサイト制作」を事業の柱としてきました。インターネット黎明期から「企業」と「ウェブサイト」「ブランディング」について向き合ってきたフブキは、哲学を持ってPRとサイト制作に取り組んでいます。
私たちが考えていること、フブキの「哲学」について、代表の角川に聞きました。
――PHILOSOPHY2では「こんなにも早くみんなが検索しなくなるとは思わなかった」と話していました。確かに自分を振り返っても、以前より検索をしなくなったような気がします。
昔はSEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)のノウハウって、一生食ってけるとば口だと思ってたの。それこそGoogleが誕生したての頃は、新しいドメイン立てて一週間でビッグキーワード(検索ボリュームが大きいキーワード)で1位取ったりとか、かなり頑張ってたよ。
でも、検索されないということがわかってきたので、そこに注力するより別の価値をお客さんに届けたくなっちゃったんだと思う。
――なんで人は検索しなくなったんでしょうか?
SNSの存在は大きいと思う。そもそもSNSにかける時間が日常で多くなって、「検索して情報を探す」ことに労力を割けなくなっている。
あと、困りごとや知りたいことは、SNSに投稿すれば誰かが教えてくれるから、検索する必要がない。採用も「誰かいい人いない?」って投げかければ、いい人が見つかる。
何よりも、知り合いの知り合いにつながるSNSの方が、検索より信頼できる人や情報に当たる確率が高い。つまり情報の純度が高いんだよね。
ただ「検索しなくなった」とは言え、SEO自体は否定しないよ。
――フブキは提案であまり積極的にSEOを打ち出さないですよね。その理由ってなんですか?
SEOの効果があるケースならもちろん提案する。ただ、最近のフブキのお客様は「ニッチな分野ですごい技術を持っている」「ある特定の分野では有名」が多い。つまりオンリーワン企業で、検索される必要がない。お金をかけてまでもやる意味があまりないということなんだよね。
あと、技術や強みを持つベンチャー企業とか、SEOに費用を投じて売上を上げるという規模感にまだない企業も多い。つまりBtoB企業で、予算が限られたなかでサイトを作るって考えると、SEO自体を否定せざるを得ない。
ただ、フブキはそういう企業と仕事をするのが好きで、これからも付き合っていきたい。「良いものを持っているけど、それが届くべきところに届かなくて困っている」という企業に伴走して、成果が出ると嬉しいじゃない?
――逆にどういうケースがSEOをやる意味がありますかね?
例えばある程度ネームバリューがあって、1億円とか無尽蔵に費用がかけられるんだったら、やる意味はある(笑)。
それからBtoBで競合が多い場合、SEOが効いてくる。
あと肌感としては、SEOはBtoC向けなのかもしれない。ただ今のBtoC向けのWEB広告は、ちょっと脅しめいてあまり良いとは言えないよね。「脱毛しないとモテません!」とか、そんなことせんでも…とか思ってしまうし。
話はそれたけど、「SEOで売上をあげたい」っていっても、BtoBだと特に「金額と成果が見合わないことが多い」ってことは伝えていきたい。
そもそもGoogleは、本質的に小手先のSEOとかがきかないような情報を拾いたいんだと思う。
何年か前、Googleが良質でない健康情報サイトを一斉に削除したじゃない?あれとか見ていると、「世の中の情報を整理し、世界中の人がアクセスでき使えるようにする」という使命を掲げ、それ一本でやっているだけあるって思う。
――「良いサイトとはビジネスコミュニケーションのショートカットになりうるツール」とのコメントもありました。ビジネスコミュニケーションって何なんでしょうか?
ビジネスコミュニケーションは出会いだね。
――出会いは大事ですか?
超大事だよ(笑)!人やモノと出会わなかったら、何も生じないし、何もできない。だから、ウェブサイトは「自らを標榜するもの」じゃないとダメなんだと思っている。
SEOは出会いを生み出す方法の一つ。でも、せっかく出会いを生み出しても、出会ったホームページがその企業を標榜するものでなかったら、そこで終わってしまうしね。
SEOは企業と企業をつなぐ一つの方法だけど、まずはちゃんと届くサイトをつくる必要があるとフブキは考えているよ。