── 宿題を返しに行ったら、深掘りされていたのは私だった。
前回、こう書いて終わった。「この回答をまた仕上げて、ブラッシュアップしようと思う」。
あれから10日ほど、放っておいた。宿題というのは、そういうものだ。
で、先日ようやく返しに行った。AIに、である。
webサイト、かわいいだけじゃだめですか?!
これの話の、続きである。
「2ってどういう意味ですか?」
宿題は5つあった。1つ目の「5つの出口の構成比」は、すぐ答えられた。スポット相談が6割、と。自分の商売の本命がどこかくらいは、さすがに分かる。
つまずいたのは2つ目だった。「それぞれの相手が誇りにしているものは何ですか」。
意味が分からなかったので、そのまま聞いた。「2ってどういう意味ですか?」
返ってきた説明はこうだ。診断結果の書き出しを、相手の困りごとの描写ではなく、その人が誇りに思っていることを認める言葉から始めたい。だから教えてほしい、と。
「それぞれの人に承認してあげる、ということですかね?」と返したら、違うと言われた。
ほめるのではなく、言い当てる。お世辞は営業トークとして一瞬で見抜かれる。効くのは「この人、うちのことを分かってる」と思わせる事実の言い当てのほうだ、と。
「その人の仕事の中で一番共感できる部分ということですかね?」とも聞いた。これも、惜しいですと言われた。
共感で探すと、大変そうなところに目が行く。それを言うと相手は同情されたと感じる。誇りで探すと、大変なのに、やり遂げてきたことに目が行く。材料は同じでも、指す先がちがう。
「〜してくれる人」と言ってしまう
分かった気になって、答えてみた。
経営者は、使命感を持って前向きに行動している人。
情報システムの人は、セキュリティを守りながらもスタッフのやりたいことに前向きに取り組んでくれる人。
代理店は、クライアントのために切磋琢磨してくれる人。
指摘された。3つとも「してくれる人」になっています。それは角川さんから見た、ありがたい人物像です、と。
誇りの主語は、相手だった。
私は26年、お客さんの側に立って書く仕事をしてきたつもりだが、自分の商売の話になると、主語が自分に戻る。これは発見だった。
ついでに白状すると、代理店の誇りを「お客様第一主義ですかね?」と言ったら、「それは看板の言葉です」と返された。ぐうの音も出ないのは、これで2回目である。
診断ツールに、「診断では分かりません」と書いた
最後の宿題は読後感だった。診断を閉じた人に、どんな気分になってほしいか。
これも質問の意味をつかみそこねて、課題を言えばいいのか?と聞き返したりした。説明を聞いているうちに、感想が口から出た。
「うん、なんか色々考えてくれてるんだね」
その一言が答えかもしれません、と言われた。
まだ会ってもいないのに、もう自分のことを考えてくれていた。診断を閉じる瞬間に、そうつぶやいてもらえたらいい。読後感は、それでいくことになった。
それで、診断の結びにこの一行が入った。
診断でお伝えできるのは、ここまでです。ここから先は、あなたの言葉を聞かないと、わかりません。
診断ツールなのに、診断では分かりませんと言っている。でもこれが、いまのうちのサイトでいちばん正直な一行だと思う。
質問されているのは、また私だった
前回も書いたが、訪問者に6つ質問するツールを作って、いちばん質問されているのは私である。今回もそうだった。
新しく診断に入れた、お客さんの生の言葉がある。
「結局、AIとの壁打ちだけだと不安だ」
最近、いちばんよく聞く言葉だ。だから診断の本命の出口に、そのまま入れた。
ところで、この宿題の答え合わせは、最初から最後までAIとの壁打ちでやった。
── AIとの壁打ちだけだと不安だ、と言ったのは、どこの誰だったか(笑)。